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父を残して家に帰る・・・。

親の事

手術をしてその日からしばらくはICに入る父。何をしてあげる事もできない私と母は、父を病院に残して家へ帰りました。帰り道の車の中はなんとも言えない空気が流れていましたが、半分は覚悟していたという気持ちもあり複雑な気持ちでした。ただ助手席に座る母の気持ちを思うと・・・辛くなったのを覚えています。

その日から約一ヶ月間の入院生活の間に、季節は晩秋から冬へ変わりました。週に1回のZOOMでわずか30分の面会。運転できない母を(正確には近所は運転するが遠くはアブナイ)私や弟、叔母さんが交代で病院まで乗せて行き、病室のすぐそばの待合室からZOOMで父と対面しました。そもそも文明の利器に不慣れな父にはIPadの画面に映るカメラの画像と音声の時差についていけず、直接会って声をかけるのとは違い歯痒く感じました。身体が思うように行かない苛立ちと久しぶりの家族との会話で少しワガママを言ったりもしました。母と二人「めっちゃワガママ言ってるな」「他に当たるとこないでやろ」と小さい声で目配せ。身体の具合を尋ねたり、何か欲しいものを聞いたり、取り留めのない会話をして面会時間は終わりを告げました。「また来るね!何か欲しいものがあったら看護婦さんに言って電話してもらって!」そして通話は終わり。 

その日は父が欲しがった替えの靴下と、寂しくないようにテレビ視聴用のカード5,000円と1,000円分、看護婦さんが「買って来て欲しい」と言った前あきの肌着を、病院の売店で買い揃えて父に渡してもらいました。病院の売店にはそんなに品数もあるわけではないので、中学生みたいに真っ白な靴下と、変なジジくさい茶色の靴下しか選ぶ物がなかったのですが背に腹は変えられません。しかもなかなかな値段で「高っか」と心の中で呟いたのは父には内緒です。こんなダサいものにこの値段を出さなきゃいけないのか?というシングルマザーの私の心の声でした。

一方、久しぶりに父と会話した母は、父の思ったより元気そうな表情に幾分は安心した様子でした。「また渡して欲しい物があったら、会社帰りに届けてあげるでいつでも言って」と母に伝えたのでした。

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