プロフィール
きらりん革命をフォローする

さぁ、退院。

1ヶ月の入院生活の後、少しでも質の高い生活が続けられるように色々な説明を聞き、いよいよ退院となりました。しばらく足を使っていなかったのと、貧血の為、足元はフラフラで、顔色は青いというかどちらかといえば白っぽい感じでしたが、駐車場まで車椅子に乗り、なんとか助手席に乗ることができました。若々しくて元気だった父の、痩せて小さくなった父の車椅子を押すのはなんだかとても切なかったです。

ちょうどお昼過ぎということもあり父に、「なにが食べたい?」と聞くと「ラーメンが食べたい」と言いました。そして母は「食べに行こか?」と言いました。父は少し弱々しく「いいよ」と言いましたが、私が「ほんなもん退院したばっかりで行けるわけないやん。疲れてまうやろ。うちに帰ったらテイクアウトして来るで帰るよ!」と言いました。全くうちの母はすごく鈍感なことがあります。おとんを見てみてよ。顔白くてやっと歩いているのにラーメン屋で座ってられるわけないやろ?どんな発想や?と・・・。手術してからずっとベットの上で寝てたんやから体力もないでしょうが・・。😂

そして40分くらい車に揺られようやく住み慣れた我が家に着き、車からゆっくりした動作で降りた父は、さっさっと歩いてポーチの階段を2段登って、フラフラと後ろに倒れそうになり、慌てて後ろから支えました。きっとイメージでは歩けると思ったのでしょう。そして玄関でなんとか靴を脱いで力尽きて玄関の小上がりで座り込みました。年末近い寒さの中やっとこさっとこリビングまで歩くと、エアコンとストーブをつけて倒れるように床にゴロンと横になりました。ようやく帰った安心感と疲れ。消耗される体力。いつものように見るとはなくテレビをつけて、そして私は約束通りラーメンのテイクアウトを。父の注文は、私が小さい頃から父が好きで食べていた『味噌バター』。地元では定番のラーメン屋さんの味噌ラーメンにバターをトッピングしたやつです。たくさんは食べられませんし麺は小さく切ってありましたが、父は美味しそうに食べていました。ひとまずやっと帰ってきた安心感もあったのでしょう。これからの少しの不安も食べているひとときだけは忘れられるのです・・・。

その日は母を連れて、窓口で一定以上の支払いをしなくても良い健康保険証の手続き『後期高齢者の医療制度』などする為に市役所へと、生命保険の入院、手術給請求の為に保険屋さんにと動き回りました。保険の手続きはややこしくて80歳になろうかという母にはなかなか難しいものです。私の世代なら、わからないことはスマホでちょちょっと調べれば簡単に出てきます。それでもなかなか難しく何度も違うサイトを見て半分くらい理解しながら、あとは市役所で職員さんに聞きながら手続きしました。また窓口負担が高額になったときは、被保険者の所得に応じて一定までの支払いで済む『限度額適用・標準負担減額認定証』を出せば、窓口の支払いがその金額までで済むというありがたい制度があることは、ネットで調べてわかったことでした。世の中は自分でアンテナを伸ばして情報を収集しないと負けなのです。こんな便利な制度があることは知りませんでした。この手続きをすれば、一旦都度窓口で払って、後から返還されるものではなく、負担そのものが少なくなるメリットがあるのです。

そんなこんなで、ひとつ賢くなった私です。

そして父に「また来るね」と伝えてその日は家に帰りました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました